お店の紹介

場所

長江屋豆富店は富山県富山市の山あいの町、八尾町(やつおまち)にあります。
5月の薫風が吹く頃には曳山祭りで賑わいます。豪華な彫刻やきらびやかな彫金などで飾り付けられた曳山が坂道をゆっくりと進む光景はまるで映画のワンシーンを見ているようです。そして二百十日の風が吹く9月1日から3日には「おわら風の盆」が始まり町中が艶めきます。優雅で幻想的な舞が町のあちらこちらで繰り広げられ、殊に、深夜の町流しは幽玄な雰囲気に夢うつつ。 小さな町なのですが、江戸時代には養蚕と和紙の生産で富山藩の財政を支えるほど繁栄しました。また、富山湾から飛騨高山へと通じる街道沿いにあるため、山海の恵みの中継地としても大いに賑わった町です。 特産品や交易によって豊かな経済力を築いた八尾の人たちは、質の高い町人文化を育くみ、それが「おわら風の盆」や「曳山祭り」などの伝統文化となって、今なお連綿と受け継がれています。

写真:店内、おわら風の盆、曳山祭り

当店は八尾町の中でも古い町並みの面影が残る「諏訪町本通り」に2007年(平成19年)2月3日に開店しました。諏訪町の名の由来する神社「諏訪社」の向かいにあります。この通りは特に冬の雪かき風景などに趣があると”日本の道百選”のひとつにもなっています。

建物建物

写真:長江屋豆富店道を曲がった瞬間タイムスリップしたかのよう。景色がガラッと変わり、江戸時代かと思うほどの町並みが現れる諏訪町。ゆるやかな坂道の両側に格子戸の町屋が軒を連ねます。当店は築130年ほど経った間口2間 奥行き12間の“うなぎの寝床”といわれる細長いつくりの建物です。明治15年に建てられました。”鹿鳴館”が落成する前年です。二階建ての一階部分のみを豆腐の製造・店舗・倉庫に改築しました。店の正面は漆喰と格子戸の典型的な町屋のたたずまいなので町並みに溶け込み、暖簾やのぼりを出していなければ見過ごしてしまうほど小さな店です。明治23年の大火に焼失をまぬがれた諏訪町では二番目に古い建築物ということです。

店名店名

写真:のれん 江戸時代の中頃、富山から飛騨高山へ通じるブリ街道を往復し、さまざまな物資を運んで商いをしたご先祖様の権次郎さん。険しい山道をどれほど行き来したのでしょうか。
写真:ふくら雀その子孫が幕末頃、富山に店を構えて「長江屋」と屋号をつけました。豆腐店開業にあたり豆腐の「ふ」を富山の「富」にして「長江屋豆富店」としました。


店主と妻の二人だけで豆富を作っています。何も付けずに食べておいしい豆富。また食べたくなるあとをひく豆富。毎日食べても飽きない豆富。食べると笑顔になれる豆富。 そんな豆富作りに励んでいます。
敬愛する吉田桂介氏が名づけてくださった「八尾のとうふ」という呼称に恥じない豆富を作ってまいります。

※吉田桂介氏・・・八尾和紙を継承・発展させることに留まらず、日本の和紙文化、民藝の普及・発展にも尽力・寄与された。型絵染を自らデザインし、さまざまな和紙製品を考案・製造する桂樹舎・和紙文庫を設立

写真:つくる人

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